[相談]
当社は、国内で訪問看護事業を営んでおり、先日、外国籍の看護師を1年以上の予定で国内の訪問看護事業所にて雇い入れました。
その外国人看護師には、母国に年齢35歳と38歳の親族(所得税法上の国外居住親族に該当)がおり、外国人看護師がそれらの親族について我が国の所得税法上の「扶養控除」の適用を受けるためには、「親族関係書類」と「38万円送金書類」を提出してもらうことが必要であることは承知しています。
そのうえで1点お聞きしたいのですが、「38万円送金書類」について、上記の2名分の生活費の送金をどちらか1名の口座にまとめて行っている場合、その送金書類をもって2名分の「38万円送金書類」とすることができるのでしょうか。教えてください。
[回答]
ご相談の場合、国外居住親族2名のうち1名の口座にまとめて生活費を送金している場合には、その送金書類は、その1名のみの「送金関係書類」に該当し、もう1名の国外居住親族に係る「送金関係書類」には該当しないことになります。詳細は下記解説をご参照ください。
[解説]
所得税法では、居住者(納税者本人)が「控除対象扶養親族」を有する場合には、その居住者(納税者本人)のその年分の所得から、原則として、その「控除対象扶養親族」1人につき38万円を控除すると定められており、この制度を「扶養控除」といいます。
この「控除対象扶養親族」とは、「扶養親族」のうち、次に掲げる区分に応じそれぞれ次に定める人をいいます。
※1 非居住者とは、居住者以外の個人をいいます。
今回のご相談の場合のように、国外居住親族(非居住者である親族に該当する人)について扶養控除の適用を受けようとする居住者(納税者本人)は、給与等の支払者に「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」などの申告書を提出する際、その国外居住親族に係る一定の「確認書類」の提出又は提示をする必要があると定められています。
その「確認書類」とは、具体的には、「親族関係書類」、「留学ビザ等書類」、「送金関係書類」又は「38万円送金書類」をいいます。
所得税法上、上記2.の「送金関係書類」とは、その年において国外居住親族の生活費又は教育費に充てるための支払を必要の都度、各人に行ったことを明らかにするものと定められています。
また、「38万円送金書類」とは、「送金関係書類」のうち、居住者から国外居住親族である各人へのその年における支払の金額の合計額が38万円以上であることを明らかにするものと定められています。
上記3.で述べたとおり、「送金関係書類」「38万円送金書類」については、ともに、その年において国外居住親族の生活費又は教育費に充てるための支払を必要の都度、各人に行ったことを明らかにするものとされていますので、上記1.の扶養控除の適用を受けるためには、各人別の「送金関係書類」が必要となります。
したがって、今回のご相談の場合のように、国外居住親族2名のうち1名の口座にまとめて生活費の送金がされている場合には、その送金書類は、その1名のみの「送金関係書類」に該当し、もう1名の国外居住親族に係る「送金関係書類」には該当しないことになりますので、ご注意ください。
[参考]
所法2、84、194、所令262、316の2、所規47の2、73の2、国税庁「国外居住親族に係る扶養控除等Q&A(源泉所得税関係)(令和7年6月改訂)」など